ケイウノのダイヤモンド研磨職人にインタビュー!

こんにちは。ケイウノ宣伝課の林です。
4月のお誕生石と言えば、ダイヤモンド。
女性の永遠の憧れですね…。
私も、いつかダイヤモンドが自分の指に輝く日を夢見ながら日々、仕事を頑張っております。

ファンシーダイヤさて、そんなダイヤモンドなのですがケイウノは、実は自社の工房に職人が在籍し、原石からカット・研磨を行っている日本では珍しい企業です。

先日ダイヤモンド研磨職人の功刀(くぬぎ)とお話をする機会がありました。普段スタッフもなかなか聞けないお話しだったので、本日はそんな功刀のインタビュー内容をご紹介します。
入社以来ダイヤモンド研磨一筋という功刀に、”ダイヤモンドを研磨すること”について、お話を聞いてきました。

職人【和太鼓を打つ手からダイヤモンドを研磨する手に】
ケイウノは「想いをカタチに…」という想いから、ダイヤモンド原石のカット、そして研磨を自社工房で行っています。日本人のもつ正確で繊細な技術で、美しさにこだわったメイド インジャパンの輝きを生み出しています。
現在の日本では、自社で研磨を行うブランドは稀有な中、功刀は現在研磨職人として活躍しています。入社して10年目という功刀。少し変わったキャリアを持っているんです。

「前職は和太鼓のインストラクターでした。高校で和太鼓に出会い、卒業後一度専門学校に行ったのですが、何か違うなと和太鼓に戻って、一般の方に教えつつ舞台演奏をこなしていました。でも、将来のことを考えた時、ものづくりがしたいと思って28歳の時にジュエリーの専門学校に入り直したんです」
「学校では金属加工に興味がありリングの製作を学んだのですが、ケイウノから内定の電話をもらった時に、ダイヤモンドの研磨をやってみないかと。ケイウノがダイヤモンドの加工を始めて1年くらいの時で、ちょうど人員を増やそうかというタイミングだったんです。思いがけないダイヤモンドとの出逢いでしたね」
入社後、師匠の指導の下、ダイヤモンド研磨と向き合うことになった功刀。最初に挑んだのは“リカット”といって、すでにカットされているダイヤモンドを研磨して、ひと回り小さなダイヤを削り出す作業。練習用に用意された0.6カラットのダイヤモンドを、一回り小さく削っては研磨し、また一回り小さく削っては研磨する、という練習をひたすら続ける日々。 最初の1つを研磨し終えるまでに有した期間は、なんと1ヶ月とか…。

ダイヤモンドの研磨 「研磨は、トングという機材にセットしたダイヤを、毎分3000回転で回っている鉄板に接触させて削ります。鉄板の表面にはダイヤモンドの微細な粉末を塗布してあって、ダイヤ同士の摩擦によって研磨します。世界中で最も硬度の高いダイヤモンドは、ダイヤモンドでしか研磨ができません。最初毎朝出勤して、8時間とにかく研磨する1ヶ月。トレーニング中には慣れないことも多くて、大変でした。例えば、ダイヤモンドのキューレット(底部の先端部分)は、真上から見たときに石の中心にあるのが最良なのですが、中心から0.4%ズレてしまうと精度が落ちてしまいます。私が研磨した石のキューレットが、仮に0.5%ずれていた場合、その時の数値は0.00548mmです。髪の毛1本の太さが平均0.08mmなので、かなり細かな微調整をしていました。わずかな違いでダイヤモンドの輝きに変化が起こるので、苦労はしましたが、少しずつダイヤモンドの形が変わっていくのがだんだんと楽しくなっていきました。磨かれて煌きを放っていく姿を見るのはとにかく嬉しかったですね」

【技術の向上は、お客さまの想いを叶えるために】
日本でも数少ない研磨職人を育成し、自社でのダイヤモンドカット・研磨にこだわるケイウノは、2016年1月、ダイヤモンドカット技術で特許を取得しています。
「特許を取得したのは、ダイヤモンドを含む宝石類の表面に大小の略円状を明確に視認できる新しいカット技術なのですが、「SweeTrickDiamond®」のミッキーマウスのシルエットは、これを応用しています。」

スイートリック「こうした技術をさらによりよい形に研究したり、試作したりするのが現在の僕の仕事ですが、それはすべてお客様の希望を実現するためのこと。まだトライの段階ですが、例えば、思い入れのあるモチーフに因んだダイヤモンドカットをご希望ならば、それに適した原石から提案して、すでにあるカットではなく完全なオリジナルのカットで仕上げるとか……。できる限りお客様の想いを形にしていきたいと思っています」

ダイヤモンドの研磨 ダイヤモンド研磨とストイックに向き合う功刀に、今後の目標を尋ねたところ、こんな返事が返ってきました。
「世界的にまだ実現されていないカットの方法を編み出し、実現してみたいですね。ダイヤモンドは研磨できる形とできない形があるんです。でも僕はそのできない形をどうしても実現したい。まだ詳しくはお話できないのですが、現在ないものを一番最初につくり出すというのは、ものづくりに携わる者にとっての醍醐味ですから」

功刀が取り組むダイヤモンド研磨。現在、期間限定で店頭でデモンストレーションを実施しています。実際の研磨機を持ち込み、功刀達研磨職人のスゴ技を実際目にすることができるだけでなく、タイミングによっては実際に研磨の体験することも可能。
「普段は、カットや研磨の研究をしたり、企画を考えたりしてずっと工房にいるのですが、店頭で直接お客様とお話ができるこの研磨体験はまた楽しい時間です。本物のダイヤモンドを研磨するのはめったにない機会なので、ぜひ開催しているお店にいらしてください」

◆現在開催中のダイヤモンドフェア https://www.k-uno.co.jp/news/ginza_dia1704