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ケイウノのマイスター達

K.UNO MEISTERS

Vol.2ハイジュエリークオリティのモノづくり

クラフトマン 高木学

36年以上にわたり様々なジュエリーを作ってきたケイウノの工房。どんな細かなご要望にもお応えするため全ての工程を自社で行い、伝統的な技法から最新の技術まで備えています。今では職人の数は約150名となり、国内最大級の工房となりました。そんなケイウノのモノづくりを牽引してきた、ひとりの職人のお話を紹介します。

未経験からスタートし、
講師活動を行うまでに

私は昔からアクセサリーが好きで独学でジュエリー製作をしており、ケイウノの未経験でも入社できる環境に惹かれ入社を決意しました。その後は店舗併設の工房で職人として経験を積み、現在は商品開発や新人の育成、マネジメント業務、そして専門学校や大学での講師活動にも携わっています。

お客さまを目の前にして加工するうちに
自然と芽生えた気持ち

私は職人を始めて10年近く経つまで、できるだけ工房で加工する時間を多くとりました。それは、先輩職人から「一本でも多く、少しでも多くの時間、ジュエリーに触れないと上達はしない」と言われたことがあるからです。振り返ると、休憩時間も惜しくて一心不乱に加工をしていたことを覚えています。

ケイウノの路面店には工房が併設されていて、2年目の頃は銀座本店の工房職人として日々の製作にあたっていました。
職人としての技術(次々新たなジュエリーを生み出すスピードと、それに反比例しないクオリティ)を求めながら、いつも忘れてはいけないな、と心に留めていたのは「たくさんのジュエリーに携わるけれど、ひとつひとつがお客さまにとって生涯大切な宝物になる」ということです。心を込めてジュエリー作りをすることは、誰に教わるでもなく、お客さまを目の前にして加工するうちに自然と芽生えた気持ちです。
窓越しにお客さまの幸せそうな笑顔を感じながらの加工。「一生物に携わっている」ということを頭で想像して加工をするのと、目の前にお客さまがいるのとでは、感じ方は大きく違います。愛する人との誓いの象徴でもある婚約指輪や結婚指輪など、かけがえのない宝物を作る自分の仕事に、誇りを感じながらの毎日。自分の技術を伸ばす難しさに悩みながらも、それ以上の喜びが必ずありました。

作りはじめる段階から、
数十年後のことを考える

“ずっと素敵な気持ちで過ごしていただきたい。だから婚約指輪も結婚指輪も常に良い状態を保ってもらいたい。”そんな願いもあり、ケイウノではアフターサービスが永久無料保証です。
私は、ご納品済みのジュエリーを新品同様に磨くメンテナンスの際はいつも心の中でジュエリーに向かって「いつでも綺麗にするからね」という想いを持ち続けてきました。

ケイウノでは創業当時からアフターサービスを永久無料保証にしていますが、時折、「永久無料と言っても、磨けば減ってしまうので、結局は何度も磨けない」と思われてしまうこともありました。しかし、ケイウノではそういったことにならないよう、華奢なデザインでもリングに程よい厚みを持たせ、細かな装飾もしっかりと立体的に仕上げています。

精度の基準は各ブランドが独自に設けるものですが、私たちの「つくり」の基準の1つとして、「磨き直しの時にも耐久性やデザイン性が崩れないように作る」という基本姿勢があります。つまり、私たちの“ずっと良い状態で身に着けていただきたい”という強い気持ちは、作りはじめる段階から込められているのです。磨き直しの際は、深い傷を削り取らず、専門の技法を使って極力削る量を減らして磨きますので、ご安心ください。できるだけ定期的にお持ちいただければ、小傷の状態だけではなく、プロの目線で石の状態などもチェックいたします。これは、いわばジュエリーの健康診断です。ぜひ気軽にお持ちくださいね。

見えない部分にこだわる
ケイウノのクラフトマンシップ

ケイウノの職人は、基本的に様々な工程を加工することができます。ジュエリー職人の世界では「内側の磨きを担当して20年」、「表の石は留められるけれど裏はできない」などということもよくあり、他社で長年経験を積んだ中途入社の職人もそのような方が多くいます。専門性を高めることで各職人の得意な技術を活かせる為、ケイウノでも各工程を熟練のスペシャリストが担っていますが、その加工工程しか知らないということはありません。そのため、他の工程を担当する職人の作業の良し悪しを考えてモノづくりができ、美しく耐久性のあるジュエリーをお求めやすく提供することが可能です。

また、金属を彫刻刀のような道具(タガネ)を使って手で彫り、そこに石を連ねて埋め込む「連続彫り留め」という石留めの加工があるのですが、最近のジュエリー業界ではタガネでは彫らずにWAX原型で溝を作っている傾向を目にします。
これは工賃削減の為ですが、ケイウノでは行いません。タガネの手彫りは手間はかかりますが、金属に直接手彫りを施す伝統的な技法こそ、最大限の美しさを発揮できるからです。

他にも、金属の粒が連なるクラシカルな装飾「ミル打ち」は、「ミルタガネ」という道具でコンコンと金属を打ちつけて粒状の形状にするものですが、ジュエリーブランドの中には溝をつけて模様のようにするところも多くあります。その加工ではすぐに磨耗してしまい、納品時の素敵なデザインがすぐに崩れてしまいます。ケイウノでは一粒を打つのにも角度を変えて数回打ち込み、立体的な丸みを作るため、長年の使用でも磨耗が少なく装飾を保つことができます。これらは、なかなかお客さまには気付かれにくい小さな違いですが、“本当に良い物を手にしていただきたい”という強い想いのもと、見えない部分まで徹底的にこだわり、お作りしています。

あるスタッフの結婚式のエピソード

私たちケイウノに関わる人間は、オーダーメイドジュエリーには「お客さまそれぞれのストーリーがある」ということを日々強く感じています。以前、ケイウノで出逢ったスタッフ同士の結婚式で、指輪交換直前にふたりの入籍日をその場で刻印し「マリッジリングを完成させる」というセレモニーがありました。

新婦のマリッジリングの刻印はケイウノのオーナーが、新郎のマリッジリングの刻印は私が担当。加工机以外で刻印を打つことは今まで経験なく、参列者の方々が見ている環境での加工は不思議な感覚でした。

ふたりのデザインは、左右を引っ張り合うとさらに硬く結ばれる「あわじ結び」と、願いが叶う「かのう結び」がモチーフ。夫妻の願いや想いが込められたジュエリーに私自身が直に関われたことを本当に嬉しく感じた出来事でした。 ケイウノでは、日々お客さまの想いを元にジュエリーが生まれています。想いは人それぞれ、だからこそ、デザインもそれぞれ。一点一点、お客さまのストーリーが息づいていることを常に胸に留め、ひとつひとつの想いに全力で応えたいと思っています。

宝物が生み出される場所

私たち職人の加工机。そこはお客さまの一生の宝物となるジュエリーが生み出される場所です。
加工机には、ヤスリ、ヤットコ、ヘラ、ロールサンダーなど、たくさんの工具があります。一見散らかっているように見えますが、職人それぞれが、使い勝手の良い配置で工具を並べています。オーダーメイドでジュエリーを作るというのは、いつも同じ工具や同じ手順で制作するわけではありません。そのため整理整頓が難しいのですが、昔先輩から「机が汚いと綺麗な物なんて作れないぞ!」と叱られたことは、今でも覚えています。

どんな職人も共通しているのは、中央にある長細い木製の「すり板」。ジュエリー製作はとても細かい物を持ったり抑えたりするため、作業がしやすいように板の手前側の形を変えます。自分がリングなどを抑えやすいように、木を削って調整するのです。それは次第に削れていき、私の10年経った「すり板」はこんな風にとても短くなりました(写真右)。職人によって形や長さが違い、先端の形も本人にしか分からない使い勝手の良さがあり、色々な職人の「すり板」を見るとその人の個性が垣間見えます。もしケイウノの店舗で工房を覗く機会がありましたら、ぜひチェックしてみてください。

工房に貼り出された
「Thank you Card」

ケイウノには、店舗併設の工房に加えて独立した大きな工房もあります。その工房に入ってすぐの壁一面を埋め尽くすのは、お客さまが職人に向けてのメッセージを書いてくださった「Thank you Card」。自社一貫体制のため、お客さまの生の声が届きます。全国から届くお客さまのお喜びの声がずらりと並ぶこの景色は、圧巻です。お客さまの直筆のメッセージカードが、店舗併設ではないこの工房でも常に私たちに力を与えてくれます。職人というのは、技術習得の難しさや日本の製造業の社会的な立場の低さから独特の悩みも多々あります。そんな時、こういったお客さまからのメッセージが心からの支えになります。「モノづくりをしていてよかった」と心から思える瞬間です。そんなことを感じることができるケイウノのモノづくりは、本当に最高です。

目指しているのは“開かれた工房”

もともと店舗併設の工房は加工風景を覗いていただけるのですが、これからはお客さまと作り手をより身近な存在にしていけたらと考えています。2010年には、職人のサポートのもと自分で本格的なリングを作れる「DIY手作りコース」もスタートし、“自分の手で作る”という他にはない特別な想い入れのあるジュエリーを身に着けていただけるようになりました。また、ダイヤモンド研磨体験のイベントも開催してきました。今後は、例えば動画でのLive配信や職人の作品展示会、受注会、パーティー、社外コンテストのチャレンジも行ってみたいです。そしてゆくゆくは「ケイウノジュエリーカレッジ」を創立して、モノづくり業界の活性化をしていけたらと、そんな夢を描いています。