ケイウノのマイスター達

K.UNO MEISTERS

Vol.4世界最高評価の輝きを生む研磨職人

研磨職人 功刀慶仁

ケイウノは、原石からカット・研磨を日本国内で行う稀なブランドです。日本人の繊細な感覚を活かし、メイド・イン・ジャパンの高品質で美しい輝きを生み出しています。
その輝きは、2017年に鑑定システムの分野で世界的に権威のあるサリネ社の評価により、最高評価をいただきました。そんなケイウノのダイヤモンド研磨職人のお話を紹介します。

和太鼓を打つ手から
ダイヤモンドを研磨する手に

前職は和太鼓のインストラクターで、舞台でも演奏をしていました。私が師事していた方は、「自分で作れるものは自分で作る」という考えを持った方で、太鼓の台を手作りしていました。それも簡素な台ではなく装飾の入った素晴らしい台で、“自分の手で形を作っていく”ということに鮮烈な好奇心を覚えました。
元々趣味でシルバーアクセサリーが好きだったのですが、和太鼓を通じて祭祀関連の装飾品にある木工や金工の細工に触れていくうちに、次第に「時代を超えて受け継がれるようなモノづくりがしたい」という気持ちが強くなり、28歳の時に思い切ってジュエリーの専門学校に入りました。
やがてケイウノに入社し、そこで頂いた話が、日本ではほとんど行われていないダイヤモンドの研磨でした。永遠に輝きが変わらないダイヤモンドを磨きあげる、そんな仕事があるのだとワクワクしたのを覚えています。「何かを残せる人でありたい」と常々思ってきましたが、今では、奇跡的な巡り合わせだったと感じています。

向き合うのは、
髪の毛の27分の1の世界

ダイヤモンド研磨の下積み時代は、すでにカットされているダイヤモンドをより美しく輝かせる「リカット」という作業から始まりました。練習用に用意された0.6カラット(直径5~6mm)のものを、一回り小さく削っては磨き、また一回り小さく削っては磨く、という練習をひたすら続ける日々でした。 最初の1つを研磨し終えるまでに1ヶ月も要しました。

地球上で最も硬いダイヤモンドはダイヤモンドでしか研磨ができないため、研磨にはダイヤモンドの微細な粉末を使用します。「トング」という機材にセットしたダイヤモンドを、その粉をつけた毎分3000回転で回っている円盤に接触させて削ります。最初の1ヶ月は、出勤してから8時間、とにかく研磨する毎日。

ダイヤモンドのキューレット(底部の先端部分)は、真上から見たときに石の中心にあるのが最良ですが、中心から0.4%ずれてしまうとケイウノが設けるカット基準を満たすことができません。私が研磨した石のキューレットが仮に0.5%ずれていたとき、その時の数値が0.00548mmです。そのズレを0.4%以内におさめるよう修正するには、約0.003mmの調整を手作業で行わなければなりません。

例えると、髪の毛の27分の1という繊細な世界になります。でも、そのわずかな違いでダイヤモンドの輝きに変化が起こります。未熟な自分との戦いに苦労はしましたが、少しずつダイヤモンドの輝きが良くなっていくことが楽しくなっていきました。見えない世界まで見きって磨いていき、どんどんきらめきを放っていく姿を見るのがとにかく嬉しかったのを覚えています。
検品でほぼ落とされなくなるのは4年以上かかりましたが、今では、100ピース中100ピース、平均に比べて110%以上の輝きを持つダイヤモンドを磨き上げる技術を体得しました。 そして、その輝きは2017年に鑑定システムの分野で世界的に権威のあるサリネ社により最高評価を得ることができ、とても大きな自信になりました。

ケイウノ メイド・イン・ジャパンに
こだわる理由

日本でダイヤモンドの研磨を行う会社はほとんどありません。世にあるものを低価格で取引するのであれば、海外から研磨済みのものを仕入れた方が安く、かつ楽であるのは事実だからです。
でも、ケイウノのルーツはオーダーメイドジュエリー。お客さまの好みに合わせてほんの少しの差も許されない厳しい世界でオーダージュエリーを作ってきました。それゆえ、世に無いデザインや技術を生み出してきた文化が存在します。「ダイヤモンドも仕入れるだけではなく自分たちでカットできてこそ本当のオーダーメイドになる」そんな想いが、ケイウノの研磨チームの原点です。
「こんな形のダイヤモンドがあったらいいのに」「明るく強い輝きが好み」「虹色の輝きが綺麗なダイヤモンドがほしい」など、お客さまの要望やこだわりは様々。自分たちで研磨する技術があれば、それらが実現できます。メイド・イン・ジャパンならではの品質、美しさへのこだわりで、100%の満足をお届け出来るダイヤモンドをカットでも実現したい…そんな想いで、挑戦し続けています。

不可能だと言われても、挑戦したい

ケイウノは独自の3D光学解析を開発、110%以上輝く「Premium Loving Heart」の誕生後も新しいカットの研究を行い、2016年1月には、ダイヤモンドカット技術で特許を取得しました。特許を取得したのは、ダイヤモンドを含む宝石類の表面に大小の略円状を明確に視認できる新しいカット技術なのですが、「SweeTrickDiamond®」のミッキーマウスのアイコンは、これを応用しています。こうした技術をさらによりよい形に出来ないか研究し、試作することも今の私の仕事です。

これまでも、ケイウノは“良い導き”を象徴する「星」や、自然界の美しい「螺旋」をモチーフにしたカットなど、今までにないものを生み出してきました。
今の私の夢は、世界的にまだ存在していないカットの方法を編み出し、実現し続けること。ダイヤモンド研磨は、100年以上前から研究され尽くされたような分野でもあり、不可能と言われるようなことが多くあります。でも、私はその不可能と言われていることに挑戦し続けたい。販売まで一貫して行うケイウノは、私たち職人までお客さまの感動の声が届きます。これからもお客さまの喜びや感動の声が聞こえてくるよう、あくなき探求を続けていきます。

ダイヤモンドは簡単に言うことを
聞いてくれないところが好き

私は、元々綺麗な物は何でも好きでした。透明でキラキラしたもの、プリズムやアクリルなんかは小さな頃から大好きで、今もダイヤモンドだけでなく、様々な宝石や素材が好きです。ですが、ダイヤモンドは言う事を聞いてくれないからより好きになった、そう感じています。
自分の思うように削れてくれない、削れてくれたかと思えば変な跡が残る。気分屋のような、我が儘なような、でも打ち解ける度により深く理解できていくような・・・。
手が掛かる子ほど可愛い、という感覚に近いです。私だけではなく、ケイウノの研磨職人はよくダイヤモンドを人のように例えたりします。きっと皆、少なからずそう感じているのだと思います。

カットのわずかな違いや、そのダイヤモンドが辿ってきた背景などは、パッと見ただけでは分かりません。でも、パッと見て分からない世界だからこそ、そこにこめられた「想い」がとても大切だと考えています。
ケイウノで磨かれ、まだ誰のものにもなっていないダイヤモンドを、ふたりの婚約の証としてお届けできること。情がわいてしまうほど向き合って磨き上げたダイヤモンドが、幸せなふたりの一生の宝物として大切にしていただけること。こんな幸せなモノづくりは無いと、日々感じています。