こんにちは、ケイウノ宣伝課池田です。
今回はケイウノクラフトマンのインスタグラム(@k.uno_craftsmanship)で紹介されたリフォームジュエリーの旅を、ブログでもご紹介したいと思います。
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-旅の始まり-
旅の始まりは、ケイウノ大宮店から。
カバンから取り出したのは、お母様から娘様へ贈られた指輪。
「大切な指輪だから、母に感謝しながら末永く使いたい」
そんなお客様の温かい想いがデザイナーのペンを動かします。
決定したデザインは、元々の雰囲気を活かしながらお客様のご要望をプラス。
石のセッティング方法を変更し、高さを抑えて日常使いしやすいデザインに決定しました。
「完成したらきっと母も喜んでくれると思う」
そんな期待の声もお客さまからいただき、責任感を持って大切なお品物をお預かりしました。
-宝石の休息-
シーンは日本最大級のケイウノの工房へ。
100名以上の職人が切磋琢磨する生産拠点です。
お母様から娘様へ贈られた指輪に留められた宝石たち。
この宝石が新たな持ち主の指でまた輝けるようにお手伝いをしていきます。
古来より自然の力が生み出す神秘の結晶である宝石には不思議なパワーがあると信じられてきました。
所有する者をそばで守り続けてきた宝石たちと、それを指に輝かせるために支え続けてきた指輪部分。
「お疲れ様、新しい指輪に留まるまで少し休憩しようね」
そんなことを想いながら職人の手によって丁寧に外されていきます。
-想像と創造-
宝石は、指輪作りのスタート地点である『原型製作』へ辿り着きました。
職人は想像する。
娘様はどんな想いで受け継ぎ、お母様はどんな想いで託したのかを…。
そして創造します。おふたりの素敵な想いが宿った宝石がこの先も末永く輝き続けることができる、世界で一つの原型を生み出すこと。
デザイン画という2次元から立体物を生むために頭の中で設計していきながら、最新技術を駆使して完成させていきます。
-生まれ変わる-
お母様の願い、自身の想いを込めた指輪の「原型」。
繊細に作られた原型は石膏で固められ熱い炉へとくべられます。
石膏から溶け出し蒸発したロウ原型。
原型の居た場所には、ぽかりと空洞が空きます。
そこに職人が金属を流し込む。
後戻りの許されない工程に、職人の額に自然と汗がにじみます。
焼けた石膏に熔けた金属を流し入れる作業は一見単純に見えて難しい。
金属の温度、熔け具合や石膏の熱、流し入れるタイミング。
その全てを意識しなければならず、匠の技がそこにあります。
割った石膏から出てきたのは、ゴールドに生まれ変わった指輪。
生まれ変わった事でまた一つ、作り手の想いが加わりました。
-貴金属の輝き-
場所は変わり、名古屋の栄店に併設された工房。
とうとう金属へと生まれ変わった指輪を専用の工具で磨き、貴金属らしい美しさを与えます。
細部まで輝かせるため、今回のリングは内側のデザインパーツとリング部分を分けた状態で鋳造されています。
このパーツはお母様と娘様のイニシャルを取り入れた、絆を感じるデザインのポイント。
その絆を繋ぐようにリングの内側に隠されたデザインを、「ロウ付け」という技法で繋ぎ合わせていきます。
ロウ付け後再度金属を磨き上げ、最後に内側に刻印を打刻し次の加工者へと渡っていきます。
-極小の世界-
彫留めとはタガネという工具を使い、金属を彫り込み、宝石を固定するための「爪」を作り留めていく技法です。
それを行うのは名古屋にある工房の熟練職人。
美しく磨かれた刃先で金属を彫り込むため、宝石と共に金属もキラキラと輝き、ジュエリーをより一層華やかに見せることが出来ます。
留める宝石の状態のチェック、配置チェック後、それぞれの宝石に合わせて高さ、間隔を合わせて金属を彫り込んできいます。
そこはまさにミリ以下の極小の世界。
拡大鏡でのみ知ることのできる形を人の手で作ります。
リングの中央に立つ8本の金属は、主役となるお母様から贈られた赤い宝石を固定するための爪です。
今回はその周りに彫留めをするため、その爪に少し食い込ませるように配置しました。
そうすることで大きな宝石と小さな宝石の隙間が少なくなり、より一層輝きを引き立てることが出来ます。
生まれ変わった指輪が完成した時、前より宝石も輝いてほしい。
そしてお客様の人生も宝石に負けないほどに輝いてほしい。
そんな想いを込めて一つひとつ丁寧に留めました。
-誇りと責任-
職人たちの手を経て、ジュエリーの旅もいよいよ大詰めを迎えました。
お母様からゆずり受けた大切な石を新しい枠にとめる”石留め”という工程です。
本日、宝石を留めてもらうために、ジュエリーは九州の福岡店までやってきました。
この石留めはジュエリーの出来栄えを大きく左右する最も重要な作業であり、決して失敗は許されません。
この工程を任される職人は十分に経験を積んで卓越した技術を持つ者に限られます。
とても責任の重い仕事ですが 携わる職人はジュエリーのこれまでの旅路を想い、自らの手で完成を迎えられることに誇りを感じています。
-終わりと始まり-
様々な場所、そして複数の職人の手を渡り、完成したリング。
自身の想いとお母様の想い、そこに職人の想いを新たに加え手元へと戻ってきました。
加工という旅を終えて、指へと初めて通した時の気持ちはいかがだったでしょうか?
これからこの指輪と共に歩む人生が、少しでも幸せな事を願っています。
そして、もしかしたらまた誰かの手に受け継がれていく時が来るのかもしれません。
そう、ジュエリーの旅は終わりではないのです。
今また新たな人生に寄り添うという旅路へと歩き出しました。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
リフォームジュエリーの旅は楽しんでいただけましたでしょうか?
ケイウノは、全国に約150名の職人が在籍し国内最大級の自社工房を持っています。
修理やリフォーム、オーダーメイドまで、多様な対応力でお客さまの想いをカタチにしています。
宝石や貴金属は経年劣化が少ないからこそ、何百年という単位で永く人々を楽しませてくれるもの。
もし、どこか引き出しの奥でそっと眠っているジュエリーをお持ちでしたら、ぜひ“リフォームする”という選択も検討いただきたく思います。
今のライフスタイル、当時の想い、受け継いがれている歴史など、さまざまな想いや願いをカタチにします。
デザインのご提案からお見積もりまで無料ですので、ぜひお気軽に全国のケイウノにご相談ください。