秋冬生地の定番、ツイードについて。

※2020年8月30日(日)をもちまして、ファッションアイテム(アパレル商品)の販売・ご注文受付を終了いたしました。※今後の販売再開時期は現在未定です。

皆さまこんにちは、スーツコンシェルジュの黒澤です。
この度ついに私のクローゼットからコートを出動させる決意を致しました。
なぜと言うに、仙台の寒さを感じずにはいられないからです。
そしていまこの時、あらかじめコートを羽織る事で風邪を引く危険から身を守り、心から安心をしたい。…と、言うような事で現在コートを着て出勤しております。仙台は本当に寒くなりました。

こう寒くなると、ウォームビズが主流になってきますね。
そこで前回は「フランネル」のお話をしましたが、今回はフランネルとは秋冬生地の双肩を為す「ツイード」についてお話したいと思います。

「ツイード」は主に羊毛を用いたやや分厚い生地で、硬くざらっとしたさわり心地が特徴の生地です。
18世紀にスコットランドで誕生し「スコッチツイード」の総称で呼ばれていました。(日本のダンディズム白洲次郎も愛用していたそうです)
基本的にスコットランドの厳しい環境下で生息する羊たちの毛で作られるため、防風・防寒性に優れており、大変暖かいです。
そして、このツイードの最も注目すべき点は、耐久性に優れていることにあります。ヨーロッパでは、その耐久性から親子3代までツイードのジャケットを受け継いでいく家庭もあるくらい丈夫で長持ちします。
また、最初は硬いツイードジャケットを、徐々に体になじませていく過程を楽しむのも、魅力の1つです。

「ツイード」は大まかに4つの産地と特徴で分類されています。
1つは「ハリスツイード」ですが、ツイードといえばハリスツイードといわれるくらい、有名ですね。
「ハリスツイード」はスコットランド西方のハリス島で生息するチェビエット種という羊の太い原毛で生産され、特徴は白髪のように見えるケンプと呼ばれる粗い毛が混じっている事にあります。
また、基本的にハリス島の住民による手織り生産で、また島内で整理加工した生地でなければ、「ハリスツイード」を名乗ってはならないルールがあり、厳しい品質管理が徹底されています。まさにキングオブツイードです。
ツイード生地4

もう1つは「ドニゴールツイード」です。アイルランド北西部にあるドニゴール州で生産される、代表的なアイリッシュツイードです。
特徴は、生地にカラーネップ(節)を混ぜて織っているので、表面に赤・青・黄色などのカラフルな斑点がちりばめられている点にあります。
ふくらみのあるゴワゴワした素材感ですが、スーツをおしゃれなカジュアルに落とし込むとボヘミアンなコーディネートを楽しめるのではないでしょうか。
ツイード生地1
3つ目は「シェットランドツイード」です。スコットランド北部のシェットランド島産の生地です。ノルウェーの山岳地帯で生息する羊の毛を使用しており、スポンジのように柔らかい肌触りが特徴なので、軽量かつ保温性が高く、ジャケットよりもセーターに使用されることが多いです。染色することなく羊毛の自然色をそのまま使用しているので、ざっくりしたナチュラルな風合いを楽しめます。ツイード生地2
最後は「チェヴィオットツード」です。イングランドとスコットランドの境にある「チェヴィオット・ヒル」というところで生息する「チェヴィオットシープ」の羊毛を使用生産した生地です。丘陵地帯に生息するヒツジはたくましく活発な性格な事から、毛質は強くハリと光沢があるのが特徴です。ほかのツイードと比べると色彩がはっきりして大胆な柄が多いので、色柄にこだわるなら「チェヴィオットツイード」がお勧めです。ツイード生地3

ツイードの原料になっている羊毛は、すべてが厳しい自然環境を生きる羊から採れています。一見同じように見えても産地や羊毛の違いで、いろいろな個性を楽しめます。ツイードでのオーダーをお考えの際、この生地はどこの産地なのかを想いながら選ぶのも楽しいかもしれません。

ケイウノでもツイード生地を豊富に取り扱っています。
この冬はツイード生地でオーダーを楽しみたい方は是非、ファッションアイテム常設店のスタッフまでご相談ください。

<ファッションアイテム取扱店>
ケイウノ新宿西口オーダーメイドサロン:03-3340-0811
ケイウノ横浜元町店:045-680-6080
ケイウノ梅田店:06-6486-1011